「街とアートのマルチプレイ」は、2019年から東北芸術工科大学が文化庁の助成を受けて実施する、地域振興を担うクリエイティブ人材を、地域社会と連携して育成するアートマネジメントプログラムです。2021年度は、下記A.B.C.Dの4プロジェクトを展開しました。
プロジェクトAでは、山形県村山地方に伝わる「藻が湖伝説」に関係する地域研究について、アートやデザイン、歴史や民俗、演劇やパフォーマンスなどの多角的なアプローチとプロセスを通して、新しい『郷土史』を編纂し、文翔館ギャラリーを会場に展覧会を一般公開しました。
プログラムBでは、受講者がギャラリストとなりアーティストと協働しながら自転車をベースにした移動式画廊を企画し、一般的なホワイトキューブから離れて実際の商店街にアートをインストールして、通行人とアートとの新たな出会いを創り出す実験的な展覧会を実施しました。
プログラムCでは、親密な関係の2人組を受講者として募集し、コロナ禍で変化した「今の時代の距離感」や「他者とは何か」について話し合い、自分たちの「距離感」を表現する「ピンク色のアイテム」をセレクトして視覚化し、アートとして作品化しました。
プロジェクトDでは、コロナ禍により多くの人が個に分断されてしまった中、次の時代における共有体験や表現空間とは何かを再考し、食・身体・アート・写真・音をベースにした『食とアートのイベント』を創るプロジェクトを展開しました。
2021年に入っても、新型コロナウイルス感染症拡大というあらゆる社会的行動が制限され、様々なアートプロジェクトが困難な状況が続いています。
本プロジェクトはこれまでの集客・密状態が前提となるアートプロジェクトの前提が根底から覆されるなか、昨年度に実現できなかった対面型のイベントや展示、フィールドワーク等の活動について、感染症拡大状況を見守りながらも、社会環境に左右されないハイブリッド形式による開催の方法論を志向しながら展開してきました。
これらの取り組みは継続的に展開され、次回の山形ビエンナーレ2022へ向けて進化を続けていきます。
2020年にスタートさせた山形県村山地方に伝わる「藻が湖伝説」に関係する地域研究について、継続的に活動を展開。すでに着手した郷土誌や新聞などをもとにして、コロナ禍により実現できなかった展示の企画・実施・運営を通して、効果的に表現する展示方法やインスターレーション技術についても実践的に取り組みました。
また、山形市街の建築物についてのフィールドワークや研究、演劇の空間演出手法などもあわせて取り入れ、美術館やギャラリー以外の場所での展示実践や展覧会の文脈作りについても考察しました。
加えて、山形ビエンナーレ2020で構築したオンライン配信システムを使用して、コロナ禍の状況下における双方向型レクチャー実施の方法論や、展覧会の3D表現にも取り組みバーチャルミュージアムの可能性についても検討し、ひとつの展覧会の形を実験的に構築しました。
講座①:郷土史のインプット→アウトプット:郷土史研究とアート・デザイン
講座②:物語を場所に宿す:場所と出会うための、空間演出プラン
講座③:奇想の棚 ─ Cabinet of curiosities ─
フィールドワーク動画
講師:宮本晶朗(キュレーター) 、阿部麻衣子(学術系ライター)、黒田瑞仁(ゲッコーパレード)、濱定史(建築家)、深井聡一郎(本学教授)/ゲスト講師:大山顕(写真家)、江口儀雄(郷土史家)、志村直愛(本学教授)、竹原万雄(本学准教授)/コーディネーター:三瀬夏之介(本学大学院研究科長) /アートディレクター:アイハラケンジ(本学准教授)/フィールドワーク撮影:岡安賢一(あがつま御縁屋)/会場撮影:三浦晴子(フォトグラファー)/3D撮影:CRUZ合同会社/会場設計:濱定史(建築家)、荒達宏(大工)、株式会社加藤建築/プロジェクトメンバー:石垣勇磨、石澤憲司、伊豆田裕子、奥田晶、菊池朝日、菊地聡子、君島 彩子、工藤幸子、斎藤志公、坂井喜恵、佐々木優衣、佐藤純一、庄司知生、鈴木友隆、髙橋晴人、田村一、土田翔、ナクロヒナ創、村山佑月、渡邉ちか、*菊地純、*長谷部康寛(*展示のみ参加)
2020年からから大手門通りすずらん商店街を舞台にスタートさせたアートプロジェクトについて、継続的に活動を展開。コロナ禍の影響により実現が叶わなかったリアルな「アートで作る新しい祭りの形態」を、商店街の営業店舗と共にデザイナー、アーティストの三者が協働し、多角的な視点で検証しました。
「アートを活用した街の賑わい創出」をキーワードに、山形ビエンナーレ2020で検証した様々な適用事例や方法論をもとに、コロナ禍とともに始まった新しい生活様式に対応するため、自転車をベースとした「移動式画廊」を企画し、イベントとして展開しました。
講師:関本欣哉(ギャラリーオーナー)/ゲスト講師:小輪瀬護安(絵本作家)、土澤潮(デザイナー)、有馬かおる(アーティスト)/ゲストアーティスト=吉村尚子、青木みのり、増田尚紀、青野文昭、タノタイガ、ミシオ、藤原泰佑、谷村メイチンロマーナ/コーディネーター=アイハラケンジ(本学准教授)、青山ひろゆき(本学教授)、安達大悟(本学専任講師)/アートディレクター:アイハラケンジ(本学准教授)/会場撮影・動画撮影:三浦晴子(フォトグラファー)/イラスト制作:杉の下意匠室/プロジェクトメンバー:石川由美、菅野光子、工藤裕子、倉持希、渋谷剛史、瀬戸あかね、中谷桃子
コロナ禍による時代の変わり目に生まれつつある新たな価値観を、市民から採集した「会話」と「言葉」をもとに街や歴史的建造物にアートを施し、街の風景を変えていくアートプロジェクトを展開。2020年度は第1章として、いくつかの質問を記したノートを設置した「PPP ROOM」を山形まなび館と東北芸術工科大学の2カ所に設置し、訪れた市民や学生が質問に回答していくことで各々の物語をアート作品に展開してく仕掛けを構築しました。
2021年度は第2章として、このコロナ禍で変化した新たな距離感について話し合い、視覚化し、自分と他者との距離を、アートとして作品化するプロジェクトを展開。親密な関係の2人組を受講者として募集し、コロナ禍で変化した「今の時代の距離感」や「他者とは何か」について話し合い、自分たちの「距離感」を表現する「ピンク色のアイテム」をセレクトして視覚化し、アートとして作品化しました。
メイキング動画
講師:飛田正浩(ファッションデザイナー)、望月孝(フォトグラファー)/講師・コーディネーター:原高史(本学教授)/3D撮影:CRUZ合同会社/デザイン制作・運営サポート=株式会社とみひろ(須藤鈴架、阿部由希)、冨樫菜乃/ドキュメント動画撮影:片桐賢久(Class studio)/プロジェクトメンバー:Erdman三佳、Erdman Richard 、佐藤佳弥、一寸木遥子、宮城佐和子、伊藤秀平、大澤ゆかり、多田耀、児玉佳奈美、伊藤優里
コロナ禍よって大きく変化している社会において、この困難な状況の中でも生き抜いていく力とまったく新しい思考でこれからの時代を生きていくことが今求められている。
「いのちの学校」では、この時代を生き抜く術を実践している様々なジャンル(アート、音楽、食、衣、農など)の表現者をゲスト講師に招き、山形市内のリノベーション空間(レストラン)を会場に、レクチャーやワークショップ、イベント等を新たな発想で「食とアートのイベント」を企画立案し対面イベントとして実施しました。その成果は、映像コンテンツとして記録し発信していきます。
WS① アート:つどいの森
WS② 食:いのちのレシピ
WS③ 音:サウンドインスタレーション
WS④ 写真:いのちの学校を切り撮る
WS⑤ キュレーション:アートイベントキュレーション
講師:稲葉俊郎(医師)、上野雄次(花道家/アーティスト)、吉川倫平(Pignonオーナーシェフ)、佐藤洋一郎(POURPIER店主)、武田悠(POURPIERシェフ)、横山太郎(Pignonスーシェフ)、曽根田一斗(POURPIER料理人)、福澤麻衣(Pignonソムリエ)、市村隼人(サウンドアーティスト)、神宮巨樹(写真家)/コーディネーター=岩井天志(本学教授)/制作スタッフ=アリステイラー、佐藤真梨絵、半戸タクロウ、ミラーレイチェル智恵、佐藤明日翔、尾形紘明、菅原初美/デザイン:梅木駿佑(デザイナー)/プロジェクトメンバー:大場智子、金沢弥英子、國井優希、沢尻采嬉、高城つかさ、武田育子、武田靖子、藤井元斗、松田翔、三ヶ山香織、山内陽子
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- オープニングレクチャー/ガイダンス
- 2021年7月3日[土] @ Class studio
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- 講座①②合同レクチャー/フィールドワーク
- 2021年7月17日[土] @ Class studio/山形市街地
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- 講座①レクチャー
- 2021年8月28日[土] @zoom
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- 講座②レクチャー
- 2021年9月18日[土] @zoom
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- 講座①②合同中間プレゼンテーション
- 2021年10月9日[土] 13:00〜16:30 @Class studio
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- 講座③レクチャー
- 2021年11月6日[土] @gura
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- 講座③レクチャー/作品搬入・設営
- 2021年11月13日[土] @文翔館
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- 成果発表展
- 2021年11月14日[日]〜23[火祝] @文翔館
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- 最終発表会
- 2021年23[火祝] @文翔館
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- オンライン説明会&レクチャー
- 2021年8月7日[土] @YouTubeライブ+zoom
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- 受講者とアーティストとのマッチング
- 2021年10月2日[土] @ zoom
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- プランニング中間チェック会
- 2021年10月17日[日] @ zoom
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- 展示企画プレゼンテーション
- 2021年10月24日[日] @ zoom
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- 成果発表プレゼンテーション
- 2021年11月21日[日] @土井ビル
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- 成果発表展(イベント)
- 2021年12月19日[日] @すずらん商店街
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- 座談会(ふりかえりの会)
- 2022年2月23日[水祝] @ zoom
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- 「今の時代の距離感」「他者とは何か」
- 2021年11月7日[日] @文翔館
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- 「今の時代の距離感」「街でのアートの役割と関わり方」
- 2021年11月14日[日] @文翔館
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- 「今の時代の距離感」の作品制作/撮影会
- 2021年11月21日[日] @文翔館
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- 成果発表展
- 2022年1月15日[土]〜23日[日] @文翔館
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- オープニングレクチャー
- 2021年9月4日[土] @zoom
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- ワークショップ① アート:つどいの森
- 2021年12月3日[金]〜5日[日] @東北芸術工科大学+プルピエ
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- ワークショップ② 食:いのちのレシピ
- 2021年12月4日[土]〜5日[日] @プルピエ
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- ワークショップ③ 音:サウンドインスタレーション
- 2021年12月3日[金]〜5日[日] @東北芸術工科大学+プルピエ
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- ワークショップ④ 写真:いのちの学校を切り撮る
- 2021年12月3日[金]〜5日[日] @東北芸術工科大学+プルピエ
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- ワークショップ⑤ キュレーション:アートイベントキュレーション
- 2021年12月4日[土]〜5日[日] @プルピエ
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- 成果発表イベント
- 2021年12月5日[日] @プルピエ
- A. 現代山形考:藻が湖伝説─新・郷土史の編み方【展示編】
- 人の前で何かを表すこと、それはじめること、キュレーター、キュレーションについての興味がより増した。
- 参加者との交流、参加者の数だけ創造はあるなと改めて感じた。
- 現代山形考、記録に残っている事を手がかりに参加者の目線で調べ新たな形で発表。知らない事が多く山形の豊かな文化に触れられた事は、とても良かった。研究発表の成果を地元の方々に伝えたところ、今後も引き続きあなたの目線で調べて欲しいという声をいただき、どのような形で地元に貢献出来るかは分かりませんが私だから出来る事を探して活動していきたいと思った。
- 山形県下におけるフィールドワークを継続して行なっている。
- 講座に参加して、普段は気に留めていなかった山形市のまちの成り立ちや歴史を改めて学ぶことができました。暑い中、実際に街歩きをしたことが印象に残っています。自分が住む土地や身近な場所についても、もっと歴史や成り立ちを知りたいと思い、今後も調べることを続けたいと思いました。(地元の古文書を読む講座に参加して、少し読みかたを学びました)反面、調べたことをわかりやすく簡潔にまとめることが難しく、苦戦しました。発表も惨憺たるもので、簡単なことではないと思ってはいましたが、力不足を痛感しました。
- 特に山形市街の水路の話が印象的でした。今住んでいる土地の特徴が前時代の名残として現れている様子として認識することができました。
- まず記憶に残っていることとしては、講師の方々の講義全てが目新しく、素晴らしいものだったと感じました。山形史や街歩きを通して、普段暮らしている山形という地域の歴史や文化、そういったものを自分はほとんど知らずに過ごしていたということに気づき、少し打ちのめされました。一方で同時に、そこから深く知りたいと思うきっかけにもなりました。私はこれまで芸術や街づくりを「作り手」側から考える機会があまりなかったので、担当講師の黒田先生の「演出とは何をすることか」という講義内容を経て、「作り手」側から物事を考える経験が特に楽しかったです。更に実践を通して、「地域」で「何かを作り上げる」ことの面白さ、また一つのプロジェクトをやり遂げたことで、大きな達成感を得ることができました。今回のプロジェクトを通して得られたものとしては4つあります。勿論、「演出という芸術面の技術」の一端を知れたこと。「新しい人との繋がり」です。同じ地域(たまに周辺の地域)に住んでいるにも関わらず、しかしこのプロジェクトがなければきっと知り合う機会があまりなかったであろう、様々な分野に属する方たちとお話をすることができ、また関わらせていただくことができました。上記の2で挙げた繋がりの中から、更に他者と他者とを繋げることができました。皆さんの手を借りながら、実際に自分の手で街(作品の舞台)と作品(アート)を融合させることができたという経験です。具体的には講座終了後、私(と私のパートナー)が作成した作品を、作品の舞台となる山形県立図書館に展示してもらうことができました。この講座がなければ一生あるかないかという経験だったので、本当に貴重な機会をいただいたと感じています。当プロジェクト主催の東北芸術工科大学様、並びに県立図書館様に心より感謝しています。今回得られた経験は、芸術を学んでこなかった自分にも「何かを生み出す」ということができるのだという自信になりました。また様々な方とお話し、相談し、やり取りしてお力添えをいただくことで、私でも何らかのプロジェクトを実現することができるのだと気づくことができました。これらは今後、地域の中で何らかの活動するための原動力になると思います。そして何より、今回の講座を通して得られた皆様との繋がりが、以降の自分にとって、多くの場面で「基盤」になるであろうと感じているところです。
- 講座の中で、「山形(七日町付近)の水の形」を歩いて目撃したことが強く印象に残っています。山形だけではなく、歴史が残る場所に出かけるときも、水路や道の形などを意識し過去の土地の使われ方を想いながら歩くようになりました。
- 大学を卒業後アートに関して離れていたが関わってみてやはり楽しかった。他の人の考えを聞く機会や、自分の考えを話し意見をいただくことなどここ数年なかった経験をすることができた。
- B. まちとひと─美術の学校:実践編
- 企画までの流れで具体的な企画や発注のやり方などを知ることが出来ました。また地域の方々と交流する経験が出来たので良い実体験ができたと思います。
- 自分自身が楽しむこと、殻を抜け出すこと、展示のつくり方について考えるきっかけになりました。プロジェクトに参加したことで、幅広い年代の方や仙台でアートに関わる活動をしている方と関われたのは良かったです。
- 普段関わる機会のないアーティストの方々と一緒に活動ができたり、たくさんの方に協力していただき、アイディアを形にしてもらったり、とても貴重な機会になりました。私自身は何か作品そのものを作り出すスキルがないので、自分の企画したものを形にしてもらえて、すごくわくわくしました。ありがとうございました。ただ、こういったプロジェクトは、やはり、その街の方々にどのように受け入れてもらうか、どのように企画を(良い意味で)「街の人たちに使ってもらう、活用してもらう」かという視点も非常に大切なことだと感じています。作ったものを飾らせてもらってよかった、楽しかったで終わるのではなくて、街の人にも、作品を見ていただいてわくわくしてもらったり、例えば、「お客さんが増えてよかった」でもなんでもいいのですが何かメリットを感じてもらえたり、そういう段階までいくのが「街にアートをインストールする」ということなのではないかと思っています。私自身の企画は、いろいろ詰め込みすぎて自分の対応できるキャパを超えてしまった感もあり、担当していただいた先生にもだいぶご迷惑をおかけしました…。「企画が形になって嬉しい」という気持ちと、展示するものを準備するのにいっぱいいっぱいで「街にアートをインストールする」という今回のプロジェクトのテーマに添えていないのではないかという気持ちもあり、手放しで「よかった!」とだけ、言えないなと感じています。今回参加してみなければ、こういう企画の面白さ、大変さを実感することもできませんでしたし、「街にアートをインストールする」ということと向き合い、考えることもなかったと思います。新潟の越後妻有や瀬戸内海の直島・豊島のような地域など、地元の人たちの生活とアートが自然な形で調和している地域が各地にありますが、山形でも、アートが何らかの形でうまく取り入れられていけたら素敵だろうなと思います。今回のプロジェクトを通して感じたこと、考えたことをどういう形で活かせるか、正直なところ、まだうまく言葉にできませんが、何らかの形で「街に(すずらん商店街に、山形に)アートをインストールする」ことに携われたらと思っています。
- 多彩なジャンルのアートを認識でき、アーティストとギャラリストの役割について初めて知る機会となった。多くの人にアーティストやアートを知ってもらえるように発信していきたい。
- 多くのアート関係者と出会えたこと
- C. Pink Public Project第2章:言葉を作品化し、街に反映する
- 自分達の距離を違う目線から考えるようになった。
- この状況を生きている第一者の自分からの目線で、第二者との距離感をお互いの共感値に揃えて構成し、さらにそれを第三者に表現し表してもらうという難しいことをものすごく短い時間でしていたと思います。なかなかハードではありましたが、久々に他者との交流ができ、とてもいい時間を過ごせました。今はすぐに紐づかなくとも、この経験が今後、私の制作にも生かせる部分が出てくると思います。
- 参加者とのディスカッションを通して、作品を制作する過程が印象に残っている。それぞれ異なる考えを交換し合うことで、新しい物事の見方に気づくことができた。今後、多面的に物を見ることが意識できるようになると感じた。
- プロの方と、何かをつくるというプロジェクトがとても可能性に満ちていて、わくわくしました。また、今回の展示会というように、形に残ることも大きかったです。自分や、まわりの人、住む街への思いや、関係を様々な形で表現することに魅力を感じるので、まだまだこのようなことを続けていきたいです。コロナ禍でも、アートのそばにいたいです。
- D. いのちの学校2021─食・身体・アート─
- 稲葉先生の言葉が心に残っています。起きている時間、寝ている時間、起きている時間に瞑想しているような無心の状態が今の世の中を生きていくための力になる。上野さんとの時間はそれを実現できた貴重な体験でした。好きなことに夢中になって何も考えずに過ごす時間を大切に暮らしていきたいと思って毎日を過ごすようになりました。
- 第一線で活動するプロフェッショナルからその知見・ノウハウを教示頂けたことで、自身の活動における武器が増えたと感じる。
- 共同作業をすることで会話が広がったし、職業や年齢を超えて交流ができたのは新鮮でした。また、自然と本当の意味で触れ合えたのも、おおきな糧になりました。竹を切るだけでなく、それをアートという形に昇華することでまだ言語化できていない部分ですが心が震えて、一生忘れたくないと思いました。山形の魅力も知ることができたので、また行きたいです。
- 命という形のないものを目や耳に聞こえる形でアートにしたり、実際に体験することで多くの命の形を実感することができました。
- 今回、いのちの学校「食」に参加し、料理人の皆さん、そして演出のプロフェッショナルの皆様とご一緒させていただいて、イベントを一つ創り上げることへの熱量に感銘を受けました。即興でこれほどまでに完成度が高く、お客様が感動する時間を創り上げられることに非常に驚きましたし、参加している自分自身がとても楽しく、終始ワクワクしました。あれから、自社のスタッフにも時折このイベントの話をしていて、どうしたらあのような空間ができあがるかを議論しています。熱量のある人が集い、一つの目的を共有することでの化学反応についての非常に貴重な経験ができたので、自社でもこういった化学反応を起こせるよう、様々仕掛けていきたいと思います
- いのちの学校に参加させて頂きました。調理師として施設に勤務しておりますが、日常の業務では得られない経験や普段では接点の無い方達との出会いがあり、大変貴重な時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございました。
- アルの場の価値をいかに上げるか、参考になった。
- 今自分のやりたいこと、極めたいことや将来どのような姿になっていたいかなどを考えることができた。
- アイハラケンジ(Kenji Aihara)
1974年東京都生まれ、仙台市育ち。東北芸術工科大学卒業、同大学院修了。主な活動領域はデザインとその周辺。株式会社コンセント取締役を経て株式会社アイケン代表。halken LLP(ハルケン)共同主宰、inukkuma! LLP(イヌックマ)共同主宰、株式会社Q1取締役。武蔵野美術大学(2000~2010年)、専修大学(2006~2009年)等の非常勤講師も歴任。主な賞歴として、AMDアワード(ベストディレクター賞)、山形エクセレントデザイン(コミュニティデザイン賞)、デザイングランプリTOHOKU(グランプリ、奨励賞)、TOKYO TDC(入選)、SIGCHI(選出)など。2014年より東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科准教授。 - 青山ひろゆき(Hiroyuki Aoyama)
1977年福島県生まれ。山形市在住。2001年東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科修士課程修了。絵画制作を主体にインスタレーションなど多様な表現による作品を国内外の美術館やギャラリー、アートフェアなどで発表。また、ワークショップやアートイベント企画運営や企業コラボなど美術というジャンルを横断的にとらえた活動も展開。第4回夢広場はるひビエンナーレ 奨励賞(2002)、第10回青木繁記念大賞展優秀賞(2005)、「ゆらめく日常アートの交差点」郡山市立美術館(2009)ほか。個展ではGALERY IDF 、YUNG ART TAIPEI(台湾)、ART BEIJING(中国)、西武池袋本店、仙台三越、靖山画廊、アートフェア東京など。 - 安達大悟(Daigo Adachi)
愛知県出身。2010年に金沢美術工芸大学工芸科卒業。2012年に金沢美術工芸大学美術工芸研究科工芸専攻修士課程を修了後、金沢卯辰山工芸工房専門員を経て、2019年から東北芸術工科大学学美術科テキスタイルコース講師。「板締め絞り」という染織伝統技法を用いたタペストリーの制作やワンピースやバッグ、ホテルユニホーム、トロフィーのデザイン、企業とのコラボレーションも手がける。2009年 能登珪藻土コンロコンテストグランプリ、2012年 ジャパンテキスタイルコンテスト2011 シーズ賞、奨励賞、2013年 第7回雪のデザイン賞佳作、第40回石川県デザイン展石川県クラフト協会会長賞、2017年 国際北陸工芸サミットU50アワード奨励賞など。 - 市村隼人(Hayato Ichimura)
PA、レコーディング、MA エンジニア、サウンドデザイナー、フォーリーアーティスト、コンポーザー、キーボード奏者、映画監督として様々な場所で、様々な音空間に従事。
主な作品に滞空時間/majo、ISSEY MIYAKE展/高木由利子、短編映画 BEYOND TIME&SPACE、清竜人ドキュメンタリー/TOWN、鶴田真由/記憶の底に眠るもの、UNIWA WAVE SOUND SERIES/伊勢など多数。
hayatoichimura.com - 稲葉俊郎(Toshiro Inaba)
1979年熊本生まれ。東京大学医学部付属病院循環器内科助教を経て、2020年現在、軽井沢病院副院長・総合診療科医長、信州大学社会基盤研究所特任准教授、東北芸術工科大学客員 教授などを兼任(山形ビエンナーレ2020芸術監督)。著書に『いのちを呼びさますもの』(アノニマ・スタジオ) 、『いのちはのちのいのちへ』(2020年、アノニマ・スタジオ)、『ころころするからだ』(2018年、春秋社)、『からだとこころの健康学』(2019年、NHK 出版)など。
https://www.toshiroinaba.com/ - 岩井天志(Tenshi Iwai)
1971年生まれ。多摩美術大学卒業。アニメーションディレクター、映像ディレクターとしてCM、MV を制作。2011年よりアートイベントのディレクションやブランディングなどクリエイティブディレクションを行う。主な仕事に山形ビエンナーレキュレーター(2014年、2016年、2020年)、VisionVillage(韓国)のアートディレクション、イベントディレクション(2014~2017年)、安藤忠雄『森の教会』(韓国)のアートディレクション/映像ディレクションなど。2018年よりサスティナブル、オーガニック、フェアトレードのコミュニティづくり『土と人』をスタートする。 - 上野雄次(Yuji Ueno)
1967 年京都府生まれ、鹿児島県出身。東京都在住。1988 年勅使河原宏の前衛的な「いけばな」作品に出会い華道を学び始める。国内展覧会での作品発表の他、バリ島、火災跡地など 野外での創作活動、イベントの美術なども手掛ける。2005年~「はないけ」のライブ・パフォーマンスをギャラリーマキ(東京)で開始。地脈を読み取りモノと花材を選び抜いて活けることで独自な「はないけ」の世界を築き続けている。創造と破壊を繰り返すその予測不可能な 展開は、各分野から熱烈な支持を得ている。コムアイ、山下洋輔、矢野顕子、Arto Lindsay 、Jeff Mills、等、詩人、写真家、ミュージシャン、工芸家、ファッションデザイナー、茶人等とのコラボレーションも多数行っている 。 - 黒田瑞仁(Mizuhito Kuroda)
1988年生まれ。舞台演出家。早稲田大学理工学術院建築学専攻修了。演劇集団ゲッコーパレード代表。主な演出作に『ハムレット』(旧加藤家住宅)、『リンドバークたちの飛行』(旧里見弴邸、早稲田大学演劇博物館、宮城野納豆製造所ほか)、演劇映像『ファウスト』(山形ビエンナーレ2020)。東北芸術工科大学、東京造形大学、チュラロンコーン大学特別講師。 - 佐藤洋一郎(Yoichiro Sato)
1986年山形市生まれ。宇都宮大学在学中、バーテンダーとしてアルバイトの際に、ナチュラルワインの魅力やサービスの楽しさにのめり込む。卒業後はワインのインポーターへ入社。地元山形に貢献したいとの想いから U ターンを決意、山形市内「オリエンタルバルヤマガタ」の立ち上げからマネージャーとして携わる。志を高くする国内外の食やワインの生産者及び 飲食店に出会う中で、山形でも「伝える」ことによりフォーカスした空間を創りたいとの思 いが募り、2019年5月「ナチュラルワインと気まぐれキッチン“POURPIER”」オープン。 - 神宮巨樹(Ooki Jingu)
1977 年群馬県出身。多摩美術大学二部芸術学科卒。東京を拠点に活動。
個人の活動として、都市と自然、家族と個人の中から光の所在を、写真を通じて考察している。
「東京画」プロジェクト参加。2018年からパリ、ベルリン、東京(Bunkamuraザ・ミュージアム)で同プロジェクトの展示に参加。主な仕事として、「燕三条工場の祭典」、「みちのおく芸術祭 山形ビエンナーレ2020」(コンセプトムービー)など。 - 関本欣哉(Kinya Sekimoto)
「ターンアラウンド」代表。美術家。1975年仙台市生まれ。1990年代後半よりアート作品の制作、発表をはじめる。2010年より社会に繋がる表現の場として「Gallery TURNAROUND」を設立。2016年、美術学校「仙台藝術舎/creek」を開校。2018年、都市計画道路が廃止になった跡地を行政から借り受け管理運営している「のりっぱ部会」部会長に就任。2019年、仙台市若林区卸町にオープンしたシェアスタジオ「スタジオ開墾」運営ディレクターに就任。2012年より「せんだい21アンデパンダン展」代表。2021年、仙台市青葉区一番町の商業施設「仙台フォーラス」7階にギャラリー・配信スタジオ・制作アトリエ等の多目的なスペース「even/異文/異聞/イーブン」を開設。 - 曽根田一斗(Kazuto Soneta)
1993年山形市生まれ。山形の老舗焼鳥屋に生まれ育ったバックグラウンドから、高校卒業後は新潟市国際調理製菓専門学校へ進学。自身での独立という夢を叶えるに先立ち、沢山の食材に触れたいとの思いから、プルピエの門を叩く。良い食、良いワインに触れるうちに、その背景に潜む「人」の大切さに感銘を受け、自らのベクトルの舵を大きく切る。一料理人として、“食の持つ命を伝えること”をライフワークに、日々研鑽を重ねている。 - 武田悠(Yu Takeda)
1986年生まれ。約9年に渡り多ジャンルの料理経験を積んだ後に、「オリエンタルバルヤマガタ」へ料理長として抜擢。全国の生産者や飲食店を巡り、自らの料理の方向性や価値観を常にアップデートしてきた。2019年5月、シェフとしてPOURPIERに立つ。カジュアルフレンチをベースとしつつもバラエティに富んだ多彩な提案と、季節の素材を生かした一皿は、毎日でも飽きの来ない“染み入る料理”。生産者への敬意と自身から滲み出る優しさが、皿の上を彩る。 - 飛田正浩(Masahiro Tobita)
ファッションブランド『spoken words project』主宰。多摩美術大学染織デザイン科卒業。1998年東京コレクションに初参加手作業を活かした染めやプリントを施した服づくりを行い、PUMAなど他ブランドとのコラボレーションや、芸術祭参加などその表現領域は多岐にわたりアパレルブランドの枠を越えて活躍中。 - 濱定史(Sadashi Hama)
1978年、茨城県生まれ。2002年武蔵野美術大学建築学科卒業。2004年筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修士課程修了。2009年筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術学専攻博士課程修了。日本およびアジアにおける伝統的な建築構法の研究、歴史的建築の保存・再生設計。共著に『建築フィールドワークの系譜』、『小屋と倉』など。 - 原高史(Takafumi Hara)
東京都生まれ。現代美術家、東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科教授。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業、同大学院修了。主な活動として、地域の人々とのコミュニケーションを通して得られた「ことば」を絵と共にパネルに描き、歴史的建物や、街や地域一帯の窓を埋め尽くす窓プロジェクト『Signs of Memory』を世界で展開。 - 深井聡⼀郎(Soichiro Fukai)
1973年、東京都生まれ。1999年武蔵野美術⼤学修⼠課程造形研究科(彫刻)修了。2002年⽂化庁在外派遣研修員として英国に滞在。2002年ガレリアキマイラ、2007年INAXライブミュージアム、2010年DOMANI明⽇展など。AGAIN-STメンバー。株式会社Q1ディレクター。⼭形ビエンナーレ2020キュレーター。 - 福澤麻衣(Mai Fukuzawa)
1984年東京都生まれ。イギリスノッティンガムの美術大学卒業後、東京のデザイン会社で 働くも、副業していたレストランでのアルバイトがより自分に向いていると思い始め転身、2012年より渋谷 Pignon で働き始める。JSA 認定ソムリエ資格取得をきっかけに本格的なワインの勉強をはじめ、今でも「勉強」と呼び日頃からワインテイスティングを楽しんでいる。料理に合わせたワインの提案なども日々「勉強」中。 - 三瀬夏之介(Natsunosuke Mise)
1973年、奈良県生まれ。1999年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。2009年VOCA賞受賞。東北地域における美術のあり方を問うプロジェクト「東北画は可能か?」を展開。「Kami. Silence – Action 」(2009・ドレスデン州立美術館)、「太田の美術vol.3 2020年のさざえ堂――現代の螺旋と100枚の絵」(2020・太田市美術館・図書館)他。山形ビエンナーレ2018、2020キュレーター - 宮本晶朗(Akira Miyamoto)
1976年、東京都生まれ。彫刻作品(仏像、近現代彫刻)の保存修復。2008年、東北芸術工科大学大学院修士課程保存修復領域修了。白鷹町文化交流センター・学芸員、東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター・学外共同研究員などを勤め、現在は株式会社文化財マネージメント・代表取締役。「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018・2020」キュレーター。 - 望月孝(Takashi Mochizuki)
1967 年 東京生まれ。1990 年 多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。1998 年よりフリーランス。ポートレート、スチルライフ、ドキュメンタリー、ファッション、インテリアデザイン、建築、フードなど、様々なジャンルで活動中。 - 横山太郎(Taro Yokoyama)
1988年岐阜県生まれ。大学卒業後、商社で7年間働いたのち、人や自然との結びつきを深める「食」に魅了され食の道に。人・自然・地域・都市が共生する世界は豊かなものだという信念を、「食」を軸に伝えていく実現していくべく活動している。その土地土地の食や風土をテーマにした野外レストラン(ROTBALE)なども主宰する。 - 吉川倫平(Rinpei Yoshikawa)
1979 年東京都生まれ。大学時代から 6 年間、東京・門前仲町の「ビストロシャテール」で経験を積み、渡仏。ボルドーのレストランで修業を積む。帰国後、都内の様々なフレンチレストラン を経て「タンジェ」(東京・白金)のシェフに就任。2010 年に独立し、渋谷に「Pignon」をオープンする。オープンキッチンのカウンター席をメインにした親しみやすい店内、ボリュームたっぷりの多彩なビストロ料理が人気を呼ぶ。スパイスやハーブをうまく活用したフランス料理は、伝統的な手法をベースにしつつ海外での経験から得たインスピレーションを自由にとり入れたもの。無国籍ともいえる、独自の料理観が魅力だ。国内外のポップアップイベントでも大活躍の注目の料理人。 - ほか
街とアートのマルチプレイ(2021)
学外講師:宮本晶朗 、阿部麻衣子、黒田瑞仁、濱定史、大山顕、江口儀雄、関本欣哉、小輪瀬護安、土澤潮、有馬かおる、飛田正浩、望月孝、稲葉俊郎、上野雄次、吉川倫平、佐藤洋一郎、武田悠、横山太郎、曽根田一斗、福澤麻衣、市村隼人、神宮巨樹
学内講師:深井聡一郎、志村直愛、竹原万雄
コーディネーター:三瀬夏之介、アイハラケンジ、青山ひろゆき、安達大悟、原高史、岩井天志
プロジェクトメンバー:石垣勇磨、石澤憲司、伊豆田裕子、奥田晶、菊池朝日、菊地聡子、君島 彩子、工藤幸子、斎藤志公、坂井喜恵、佐々木優衣、佐藤純一、庄司知生、鈴木友隆、髙橋晴人、田村一、土田翔、ナクロヒナ創、村山佑月、渡邉ちか、石川由美、菅野光子、工藤裕子、倉持希、渋谷剛史、瀬戸あかね、中谷桃子、Erdman三佳、Erdman Richard 、佐藤佳弥、一寸木遥子、宮城佐和子、伊藤秀平、大澤ゆかり、多田耀、児玉佳奈美、伊藤優里、大場智子、金沢弥英子、國井優希、沢尻采嬉、高城つかさ、武田育子、武田靖子、藤井元斗、松田翔、三ヶ山香織、山内陽子
制作:荒達宏、株式会社加藤建築、杉の下意匠室
撮影:三浦晴子、CRUZ合同会社
映像制作:岡安賢一、片桐賢久、ミラーレイチェル智恵、佐藤明日翔、尾形紘明、菅原初美
制作・運営サポート:株式会社とみひろ(須藤鈴架、阿部由希)、冨樫菜乃、アリステイラー、佐藤真梨絵、半戸タクロウ
事務局:安孫子裕、加藤芳彦、伊藤迪子、山縣賢大、武田美穂、志鎌和典
協力:Class studio、土井ビル、gura、山形県生涯教育文化財団、山形県立図書館、大手門通りすずらん商店街振興組合、大黒屋、船山書店、佐五郎、Day&Coffee、赤沼屋、高橋陶商、ナカムラ薬局、福井屋、オリエンタルバル、マーキガルニ、モードモイスン、協同組合旭銀座のれん会、プルピエ、Pignon、株式会社ジョイン
令和3年度文化庁 大学における文化芸術推進事業
~地方都市におけるアートインストーラー育成プログラム
主催:東北芸術工科大学
事務局:安孫子裕、加藤芳彦、伊藤迪子、山縣賢大、武田美穂、志鎌和典、冨樫菜乃
お問い合せ:東北芸術工科大学地域連携推進課
〒990-9530 山形県山形市上桜田3-4-5